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NItto ATP Finals  グループA ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)VSドミニク・ティエム(Dominic Thiem)

ATP Finalが始まると今年のテニスシーズンの終わりを感じる、と書いたけど、今年はデビスカップがあるからまだもうちょっとだけ続くんじゃ。

もっともデビスカップは棄権祭りになりそうな気がしないでもないから個人的な期待値はFInalsの方が高いです。

 

対戦前から、もしかしたらがあるのではと思っていたのがこのカード。

H2Hはジョコビッチの7−3。

今年の対戦成績は1−1。どちらもクレー。

前回対戦のフレンチオープンでは強風でジョコビッチが明らかにイライラしていたのが印象深い。審判が中断を宣言する前から爆速で裏に引き上げてたのは面白かった。ティームがオロオロしてたし。

 

ティエムが得意なクレー+苦手な悪天候ですらフルセットの接戦になるのなら、ジョコビッチが比較的得意な(と言われている)ハードではジョコビッチ圧倒的有利?となりそう。実際下馬評もジョコビッチ有利(odds1.18倍の大本命)。

 

だけども本当にそうかな?と個人的には思っていた。

理由は主に2つ。

1 インドアハードで結果を残している。

鬼門の地元のインドアハードの大会で優勝。

特に振りが大きく高速ハードでは狙われやすかったバック側では、スライスやコンパクトなテイクバックからのダウンザラインを選択肢に増やすことで相手にプレッシャーを掛けていけるようになった。

2 クレーとはいえ、直近5戦はジョコビッチに勝ち越している(3-2)。

確かにサーフェスの違いは大きいが、ジョコビッチにガッツリ組んで勝ったという経験は大きいであろう。

特にBIG3と呼ばれる三人は、勝敗に直結するようなポイントではなかなか自分からミスをしない。それを分かっていないとミス待ちのプレイを突かれてしまう。

特にミスの少ないジョコビッチ相手では最後まで「自分主導でポイントを取る!」というメンタリティが必要になってくる。

サーフェスが違えどティエムには彼と戦い勝った経験があり、それは対ジョコビッチおいて重要な要素になるであろう。

 

それを踏まえてのこの試合。

まあすごい試合でした。ただ朝5時は早すぎる。6時位から見た感想です。

ティエムが勝つためには、ストローク戦で自らポイントを取る形を作ることを継続していく必要がある。

そこでティエムはネットプレーを交えつつ、なるべく自分から勝負をかけていっていた。

 

ただし、パッシングが得意のジョコビッチだから上みたいに抜かれることもあるけど、プレッシャーを与えるという意味では前に出るという選択肢も見せないと相手を楽にさせてしまう。

 

その上で、高速ハードの特性を生かして、回転数を控えめにしたストロークをストレートに打ってジョコビッチの時間を奪っていく。

 

こうなると、攻め続けるティエムと凌ぐジョコビッチという構図になるため、どちらのがそれを続けられるのか、という継続力の戦いに。

こうなると屈指の継続力を誇るジョコビッチ有利、と思いきやティームが粘る。

サーフェスの速さもあるのか次第にジョコビッチストローク戦でパワー負けすることが多くなってくる。

ただ、最終第3セットではティエムのSFMをブレークするなどジョコビッチも流石の精神力を見せる。

しかし、どうにもストローク戦で優位に立てないままタイブレークも逆転でティエムが取って試合終了。

最後のこのシーンなんかは力負けという感じ。

 

試合の情勢が目まぐるしく変わる試合で、大変なものを見たという感想。特に、ティエムは最後まで攻め続けてあっぱれ。もちろんジョコビッチの安定感もすごい。

 

ティエムはハードでのプレースタイルを確立した感がある。ただ、このクオリティが大会終盤まで続くのかがちょっと心配なティエム。

大会終盤に向けて上げてくるジョコビッチとは決勝で再戦する可能性があるため、そうなった場合に今日と同様のクオリティが維持できるか、もしできるならティエムが一歩抜け出た感が出てくるけど、はてさて。

 

とにかく、いい試合が見れて満足でした。早起きしたかいがあった^^